专利摘要:
本発明は、管状格子構造を有するステントに関し、該ステントは、格子要素、特にウェブ(10)と、格子要素により画定されるセル(11)とを含む。格子構造は断面直径が比較的小さい圧縮状態、及び断面直径が比較的大きい展開状態へと変形可能である。本発明は、可撓性を有する接触要素(12)が格子要素と関連付けられる点において特徴付けられる。上記接触要素は血管壁(20)に径方向の力を伝達すべく調整されると共に、個々に関連付けられた格子要素の略長手方向に格子構造の外周上に延出し、接触要素(12)はそれぞれと関連付けられた各格子要素よりも少なくとも部分的に幅広である。
公开号:JP2011512211A
申请号:JP2010547090
申请日:2009-02-12
公开日:2011-04-21
发明作者:カッタネオ、ジョルジョ;シュッスラー、クリスティ
申请人:アカンディス ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー;
IPC主号:A61F2-82
专利说明:

[0001] 本発明は、請求項1の前提部分に記載されるステント及びその製造方法に関する。]
背景技術

[0002] このようなステントは、例えば米国特許第6,428,569号に開示されている。管状格子構造で構成されるステントは、血管を拡張及び支持するために使用される。特に狭窄や動脈瘤がこの手法で治療される。狭窄すなわち血管の狭化が発生すると、下流の組織への栄養供給が制限される。十分な血流を保証すべくステントを使用して収縮部を開放し、安定させる。動脈瘤とは、血管壁に極めて大きい応力を付与する血管中の隆起を指す。このような隆起は時間と共に肥大化し、血管壁の破裂を生ずることがある。動脈瘤の部位の血管に適切なステントを配置することによって動脈瘤中の血流を低減又は停止させる。これにより動脈瘤内で血液の凝固が起こり、動脈瘤の更なる肥大化が阻止される。]
[0003] 埋込みの際又は埋込み後、ステントは隣接する血管壁に径方向の力を付与し、この径方向の力がステントの周囲の多数のウェブに分配される。ウェブの数が比較的少ないと、各ウェブから血管壁に付与される力が大きくなり、血管に刺激や損傷が生じることがあることから望ましくない。その結果として生じる炎症反応により、再狭窄すなわちステントにより拡張された血管の再度の狭化の危険が高まる。従って、ドイツ公開特許出願第10 2007 019 772号(出願人に帰属)では、血管壁に作用する力をより良好に分配して個々のウェブから壁に作用する力を小さくするようにウェブ数を増加することが提案されている。]
[0004] 冒頭で引用した米国特許第6,428,569号には、ウェブ幅が極めて小さい微細メッシュ格子構造を有するステントが記載されている。ウェブ幅が小さいために個々のウェブと血管壁との接触面が小さくなることから、局所的圧力が発生する。局所的圧力はウェブ毎に比較的大きい特定の径方向の力をもって血管壁に作用する。]
[0005] しかし、ステントの埋込み容易性が損なわれる虞があるため、ウェブ幅及びウェブ数を任意に増大させることはできない。ステントを埋め込むためには、ステントを圧縮し、血管へステントを導入するために使用されるカテーテル内に配置する。最大ウェブ幅又は最大ウェブ数は、カテーテルのサイズ又は治療対象の血管のサイズによる幾何学的な制限を受ける。]
[0006] 更に、高い局所的圧力によりウェブが血管壁に食い込むため、力がウェブの外側表面全体にわたって均等に付与されないという事実がある。この結果、血管壁に伝達される径方向の力は、ウェブの内側の部位と比較してウェブの長手方向端縁の部位においてより大きくなる。このように長手方向端縁の部位に応力集中が発生すると、再狭窄の危険が高まる。]
[0007] この効果を例えば図1aに示す。この効果はウェブ幅の増大に伴って大きくなる。図1aは埋め込まれた状態で示す従来技術のステントの部分断面図である。ウェブsは血管壁gに接触し、ステントが展開することにより血管壁gに径方向の力Fを伝達する。図1aにおいて径方向の力Fは矢印で示され、力の大きさがそれぞれの矢印の長さで表現されている。ウェブsから血管壁gに伝達される高い局所的圧力により血管壁gが伸張され変形する。最大変形はウェブsの長手方向端縁aの部位において生じる。従って、力の伝達は主にウェブsの周縁部位すなわち長手方向端縁aにおいて発生する。] 図1a
[0008] 従って、全般的に、ステントを用いて血管壁への負荷を軽減するという所望の結果をもたらす構造的手段は2つ存在する。一方は、個々のウェブによる局所的な力が低減するようにステント断面におけるウェブ数を増大させ、血管壁に力がより均等に分配されるようにする手法である。他方は、ウェブ幅を拡大し、よって接触領域を増大させることにより個々のウェブの部位において血管壁に作用する局所的圧力を低下させる手法である。上記手段を組み合わせること、すなわちウェブ数を増大させ同時にウェブ幅を拡大することは、埋込みの際に幾何学的な制限を受ける。]
発明が解決しようとする課題

[0009] 従って、本発明の目的は、操作時のステント埋込み容易性を著しく損なうことなく、血管壁への負荷を軽減すると共に再狭窄の危険を低減する管状格子構造を有するステントを提供することにある。更に、本発明の目的は、このようなステントの製造方法を提供することにある。]
課題を解決するための手段

[0010] 本発明によれば、上記目的は、ステントに関しては請求項1の主題により、方法に関しては請求項22の主題により達せられる。]
[0011] 本発明の概念は、管状格子構造を有するステントであって、格子要素、特にウェブ、及び格子要素により画定されるセルを有し、格子構造は、断面直径が比較的小さい圧縮状態及び断面直径が比較的大きい展開状態へと変化することが可能なステントを提供することにある。この場合、可撓性を有する接触要素が格子要素と関連付けられ、上記接触要素は血管壁に径方向の力を伝達すべく適合されると共に、それぞれと関連付けられた各格子要素の略長手方向に沿って格子構造の外周上に延出し、個々の接触要素は関連付けられた格子要素よりも少なくとも部分的に幅広である。]
[0012] 従来技術と比較すると、本発明によるステントでは、展開状態において、ウェブと血管壁との間の接触領域が大きい多数のウェブを配置することができ、ステントの埋込みが更に容易である。]
[0013] このために、本発明はステントの外周面に配置される接触要素を備え、この接触要素は格子要素と関連付けられる。接触要素は格子要素よりも幅広である。このため、単純な格子要素と比べ、埋め込まれた状態又は展開状態におけるステントと血管壁との間の接触領域がより拡大される。接触要素が少なくとも部分的に幅広とされていることは、接触要素が、少なくともステントが展開状態にあるとき、それぞれと関連付けられた各格子要素の少なくとも1つの端縁から突出し、これによって格子要素と血管壁との間、又は全体的なステントと血管壁との間において格子要素によって形成される接触領域を拡大させることを示している。接触要素の幅は、まずその長手方向に対し略垂直な接触要素の延伸とみなされる。本発明はこれに制限されないが、一般的に圧縮状態における接触領域と比較して、展開状態において接触領域が拡大されることを可能とする接触要素を含む。]
[0014] 接触要素は可撓性を有し、ステントが襞折り(crimp)又は圧縮された際に変形可能であるため、本発明によるステントの好適な埋込み容易性は接触領域が拡大されているにも関わらず維持されている。従って、本発明によるステントによって、従来の搬送システム又はカテーテルを利用して埋め込むことが可能な十分に小さい直径を実現することができる。形状記憶材料を使用し、その利点を利用する場合、可撓性を有する接触要素は格子要素の動作により及び/又は固有の動作により埋込み時に伸張する。動作位置において、接触要素は格子要素及び/又は対応する条件付けにより伸張され、径方向の力を血管壁に伝達する接触領域を形成する。]
[0015] 可撓性を有する接触要素により実現可能な可逆的に拡大可能な接触領域により、個々の格子要素によって血管壁に付与される局所的圧力を増大させることなく格子要素の幅を縮小することが可能である。]
[0016] このように、本発明によるステントにより、埋め込まれた状態における有効な接触領域を縮小することなく個々の格子要素の幅を縮小することができるため、ステントと血管壁との間の接触領域を多数の格子要素に関連して拡大することができる。]
[0017] 全体として、可撓性を有する接触要素により、本発明によるステントでは径方向の力を伝達するための接触領域を可変とすることができ、この接触領域は圧縮された状態における格子要素の面積にほぼ相当する。]
[0018] 本発明によるステントの更なる利点は、硬質のウェブと比較して、可撓性を有する接触要素が湾曲した血管壁により良好に適合し、よって硬質のウェブにおいて発生する長手方向端縁に沿った不都合な応力ピークが阻止される点にある。]
[0019] 可撓性を有する接触要素と血管壁との間の接触領域が大きいために血管への負荷及び損傷の危険が低減されることから、本発明によるステントは、血管内部の狭窄の治療に特に有効である。更に、本発明によるステントを用いることで、ステントの閉じた周面の割合が高いために動脈瘤が血管中の血流から水圧により良好に分離され、これにより動脈瘤の治療が改善される。これにより動脈瘤内の血液の凝固が促進され、動脈瘤壁の破裂が阻止される。]
[0020] 本発明によるステントは脆弱なプラーク又は柔軟なプラークの治療に適する。プラークとは血管壁内に軟組織が蓄積したものをいう。狭窄と異なり、この場合、血管直径の狭化は発生しない。しかしながら、血管壁内の軟組織が薄膜のみによって血液循環から分離されていることから、血管閉塞の危険がある。この薄膜が損傷した場合、プラークが解放されて、下流の小血管が遮断されることがある。本発明によるステントを使用することで、既知のステントとは異なり、薄膜の損傷を生じ得るウェブを介した力の伝達を行わずに血管壁上の柔軟なプラークの薄膜を安定化することができる。本発明によるステントは、血管中のカルシウム沈着などのより硬いプラークの治療に使用することもできる。格子要素の部位における局所的な力を最小化することで、硬いプラークにおいて、カルシウム沈着などの堆積が切断され、粒子化されて小血管中へ輸送されることを阻止できる。]
[0021] 好ましくは、個々の格子要素は関連付けられた接触要素と共に少なくとも部分的に略T字断面もしくは略L字断面を形成する。T字断面において、接触要素は関連付けられた格子要素の両側に、特に対称的に突出する。L字断面において、接触要素は関連付けられた格子要素の片側のみに突出する。]
[0022] 個々の接触要素はそれぞれと関連付けられた各格子要素よりも少なくとも10%、特に少なくとも15%、特に少なくとも20%、特に少なくとも30%、特に少なくとも40%、特に少なくとも50%、特に少なくとも60%、特に少なくとも70%、特に少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に少なくとも100%幅広であってもよい。好ましくは、接触要素は各格子要素よりも最大500%、特に最大400%、特に最大300%、特に最大200%、特に最大100%幅広であってもよい。このように、ステントの外側表面と血管壁の内部表面との間の接触領域は、血管壁への局所的な、すなわち格子要素の部位において発生する径方向の負荷が最小化されるように十分に拡大される。]
[0023] 一般的に、接触要素の幅の仕様は、格子要素に対して幅が最大となる接触要素の部位又は部分、あるいは格子要素の幅から最大限に突出する接触要素の部位又は部分に関連する。このことは、それぞれと関連付けられた各格子要素の両側に突出する接触要素(T字)と、片側に突出する接触要素(L字)の両方に当てはまる。]
[0024] 両側に突出している場合、格子要素から突出する接触要素の両側は格子要素から様々な長さに突出することができる。接触要素の一方の長手方向端縁の格子要素からの距離は、他方の長手方向端縁の格子要素からの距離より短くてもよいし、長くてもよい。両長手方向端縁の相互からの距離は、全般的に当該部位における関連付けられた格子要素の幅より長くてもよい。接触要素の一方の長手方向端縁と格子要素との間の距離を、上記格子要素に沿って変化させてもよい。]
[0025] 更に、1つの接触要素又は複数の接触要素の幅を、ステントの周面及び/又は長さにわたり変化させてもよい。このことは、接触要素の幅がステントの周方向及び/又は長手方向において変化することを意味する。同じことが複数の接触要素の幅に対しても当てはまる。従って、部位の可撓性や強度を様々に調整することができる。更に、ステントを治療対象の血管壁の領域に局所的に適合させてもよい。例えば、比較的幅広の接触要素が血管中で動脈瘤を血流から効率的に分離し、従って動脈瘤内の血流の状態に明確な効果を有するように、埋込み後に動脈瘤を被覆するステント部位における接触要素を幅広とすることができる。接触要素は、例えば、分岐血管内に十分な血流が保証されるように、埋込み後に血管同士の接合部位に配置されるステントの部位においては比較的幅狭であってもよい。]
[0026] 本発明によるステントの好ましい実施形態において、格子構造のセルは各セルを構成する格子要素の接触要素によって画定される開口部を各々有する。この場合、開口部は格子構造の外周面に配置され、埋め込まれた状態において血管の内壁と対向する。個々の開口部はセルの輪郭に適合(合致)されてもよい。開口部は略菱形の形状(ダイヤモンド形状)を有する。ダイヤモンド形状とすることにより、格子構造は特に有利な方法で圧縮状態又は展開状態へと変化することが可能となる。このことは、格子要素により画定されるセルも略ダイヤモンド形状の構造を有する場合に特に当てはまる。本発明はこれに制限されず、オープンセル構造のステントをも含む。格子構造の長手方向に沿ったダイヤモンド形状の対角線が長く、周方向に沿ったダイヤモンド形状の対角線が短いことから、ダイヤモンド形状の開口部を有する格子構造は、圧縮状態へ特に容易に変化することができる。他方、格子構造の周方向に沿ったダイヤモンド形状の対角線を長くすると同時に格子構造の長手方向に沿ったダイヤモンド形状の対角線を短くすることで、ステントが伸張する。]
[0027] 更に好ましい実施形態において、接触要素は、それぞれと関連付けられた各格子要素の長手軸と平行に延出する少なくとも1つの長手方向端縁を各々有する。更に、接触要素はそれぞれと関連付けられた各格子要素の長手軸に対し角度をもって配置される少なくとも1つの長手方向端縁を各々有していてもよい。一般的に、接触要素の幅、及び/又は接触要素の1つの長手方向端縁と、関連付けられた格子要素との間の距離は上記格子要素に沿って変化してもよい。例えば、接触要素は格子要素のある部位において、格子要素すなわちウェブの他の部位と比べて幅狭であってもよい。特に、例えば、格子要素と関連付けられた接触要素は、当該格子要素の第一の軸方向端部において当該格子要素と同一の幅を有していてもよく、例えば、第二の軸方向端部において当該格子要素の二倍の幅を有していてもよい。同時に、接触要素は第一端において格子要素とともに終端し(同じ長さを有し)(空隙=0)、第二端において一定の量、例えば格子要素の幅だけ格子要素から突出してもよい。]
[0028] 更に、接触要素は相互に平行に配置され、及び/又はそれぞれと関連付けられた各格子要素の長手軸に対し角度をもって配置される2つの長手方向端縁を各々有していてもよい。接触要素は、それぞれと関連付けられた各格子要素に対し略斜めに配置される略矩形の細片を形成してもよい。このことは、接触要素と格子要素との間の角度を適切に選択することで、格子構造が圧縮状態又は展開状態へと変化した際に接触要素の伸張又は延伸が阻止されることから、格子構造を圧縮状態又は展開状態へ変化させたことによる接触要素への応力又は損傷が低減されることを保証する。適切な角度は、主として個々のステント形状、及び展開状態における断面直径と圧縮状態における断面直径との間の所望の比率に依存し、例えば実験によって経験的に決定することができる。]
[0029] 好ましい実施形態において、接触要素は、セルの角部の部位において重なり合い、及び/又は相互に隣接して結合され、又は相互に結合される。セルの角部の部位において接触要素を重ねてあるいは隣接させて配置することにより、格子構造が圧縮状態又は展開状態へと変化する際に、格子構造の移動による接触要素の過度の応力、特に引張が阻止されるように、接触要素が相互に移動可能であることが保証される。重ねて配置された接触要素と隣接配置された接触要素を組み合わせることが特に有利であり得る。セルがダイヤモンド形状構造を有するため、例えば、格子構造の周方向において対向する角部は隣接する接触要素を有し、格子構造の長手方向において対向する角部は重なる接触要素を有していてもよい。格子構造が圧縮状態へと変化すると、格子構造の長手方向において対向する角部間の距離は、周方向において対向する角部の部位における接触要素が引き離されるように、増大される。接触要素が隣接して配置された場合、接触要素は別々に摺動してもよい。これにより、接触要素の引張が阻止される。他方、長手方向において対向する角部に配置される接触要素は、接触要素が格子構造の圧縮時に折り重なることなく相互の上を摺動するように、重ね合わされてもよい。]
[0030] 好ましくは、接触要素の高さ又は肉厚は、0.5μm〜100μm、特に1μm〜50μm、特に2μm〜30μm、特に3μm〜20μm、特に5μm〜10μmである。上述の接触要素の高さ又は肉厚は、一方で血管が十分に支持され、他方でステントの重量による血管への更なる負荷が低減されるように、高い安定性と軽量性を同時に保証する。]
[0031] 接触要素の高さは、好ましくはそれぞれと関連付けられた各格子要素の高さの少なくとも0.5%、特に少なくとも1%、特に少なくとも2%、特に少なくとも5%、特に少なくとも10%に相当する。特に好ましくは、接触要素の高さは格子要素の高さの最大50%、特に最大40%、特に最大30%、特に最大20%、特に最大15%、特に最大10%に相当する。従って、それぞれと関連付けられた各格子要素の高さ(GE)に対する接触要素の高さ(KE)の比率(KE:GE)は、例えば最低で1:20、最高で1:10であってもよい。]
[0032] 格子要素の高さは使用されるステントの用途に応じて、特に所望の使用場所に応じて変更される。1つ又は複数の接触要素の高さは、ステントの外周及び/又は長さ、及び接触要素の幅及び/又は長さの両方に関して変更可能であってもよい。高さが異なる接触要素あるいは肉厚が異なる接触要素を有するステントの概念は、例えば、ステントが一定の部位において異なる強度及び柔軟性を有することを可能とする。例えば、埋め込まれた状態においてステントが血管の湾曲又は血管接合部に柔軟に適応するように、ステントは部分的に薄い接触要素を有していてもよい。異なる肉厚は、1つの接触要素及び/又は複数の接触要素において調節可能である。]
[0033] 好ましい実施形態では、接触要素は、外側の部位、すなわちそれぞれと関連付けられた各格子要素から離間された部位あるいはそれぞれと関連付けられた各格子要素から突出する接触要素の部位と比べて、それぞれと関連付けられた各格子要素の部位において、より高くもしくは肉厚に形成されている。このように、血管壁に力が伝達されるある部位から、より小さい力が伝達されるもしくは力が全く伝達されない他の部位(接触要素により画定される外側の部位又は開口部)への移行が連続的であるため、血管壁への力の伝達が改善され、特に力がより均等に分配される。接触要素の外側の部位又は長手方向端縁に対する局所的圧力の増大は、上記のように効率的に阻止される。]
[0034] 更に、接触要素は形状記憶材料、特にニッケルチタン合金を含んでいてもよい。このように、展開状態又は埋め込まれた状態における接触要素の所望形状は、接触要素の製造時に指定されてもよい。一定の周囲条件、特に体温の影響下で、接触要素は製造時に付与された形状をとり、これによりステントの埋込みを簡易化する。格子構造又は格子要素も形状記憶材料で作製される場合、接触要素に形状記憶材料を使用することは特に有利である。このように、本発明によるステントを圧縮状態で血管中に挿入することが可能である。ステントは、例えば更なる機械的な力を作用させることなく、体温により血管中で自動的に展開し、狭窄を拡張する。]
[0035] 一般的に、ニッケルチタン合金や高分子化合物などの材料や、接触要素の肉厚を適切に選択することにより、一方で接触要素が埋め込まれた状態で血管壁の輪郭に良好に適合し、他方で発生する径方向の力が外面全体にわたり略均等に分配されるように伝達されるよう、接触要素の可撓性と強度との間に最適な妥協を実現できる。この場合、当業者はステントの各用途や目的に基づいて接触要素の材料や寸法構成を選択する。一般的に、ステントの展開状態又は埋め込まれた状態における所望の直径に関わらず、当業者が実験に基づいて経験的に選択を行ってもよい。同時に、マグネシウムやマグネシウム合金などの生物分解性物質の使用を考慮してもよい。]
[0036] 接触要素は構造化表面、特に気孔や溝を有することが特に好ましい。構造化表面はエンドセリアリゼーション(endothelialization)、すなわち構造化表面上の血管に類似する細胞の成長を促進する。これにより、動脈瘤の治療において、例えば動脈瘤の入り口又は動脈瘤のネック部が閉鎖される。]
[0037] 更に、構造化表面は、例えばステントセルや、治療剤としての遺伝子、抗凝血剤又は他の物質などの医学的にアクティブな物質のための貯蔵所として使用することもできる。この場合、既知のステントと比較して接触要素が広いため、上記物質のためにより広い分配領域が提供される。更に、本発明の概念は、少なくとも1つの接触要素が個々に格子要素と関連付けられるように、可撓性を有する接触要素が格子要素に結合され、あるいは格子要素と一体的に作製され、接触要素は格子要素の断面から突出する、本発明によるステントを製造するための方法を提供することにある。可撓性を有する接触要素の格子要素への結合はレーザーマイクロ溶接又は接着により行われることが好ましい。好ましくは、接触要素の作製にスパッタリング工程、特にマグネトロンスパッタリング又はイオンビームスパッタリングが用いられ、これにより接触要素は格子要素上に直接スパッタリングされてもよいし、あるいは格子要素と一体的にスパッタリングされてもよい。本発明による方法は、埋め込まれた状態もしくは展開状態においてステントと血管壁との間の接触領域を大きくし、これにより血管壁に作用する径方向の力がステント外周に均等に分配されるように、多数のウェブをステント外周に設けることを可能とする。]
[0038] 以下、関連する概略図を参照しながら実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。]
図面の簡単な説明

[0039] 埋め込まれた状態における従来技術によるステントの部分断面図である。
埋め込まれた状態における本発明による実施形態に従ったステントの部分断面図である。
埋め込まれた状態における本発明による実施形態に従ったステントの断面図である。
埋め込まれた状態における本発明による実施形態に従ったステントの2つの隣接するウェブの断面図である。
圧縮状態における本発明による実施形態に従ったステントの断面図である。
圧縮状態における本発明による実施形態に従ったステントの2つの隣接するウェブの断面図である。
a−eは圧縮状態における本発明による実施形態に従ったステントの2つの隣接するウェブの断面図である。
a−dは展開状態における本発明による異なる実施形態に従った複数の隣接するセルの上面図である。]
実施例

[0040] 図1bは本発明によるステントの部分断面図を示している。図1bには3つの隣接する格子要素すなわちウェブ10が示されており、その各々がそれぞれと関連付けられた接触要素12を有する。これについては図2bにおいても容易に確認できる。この場合、ウェブとは、隣接するウェブに結合されると共に、これらのウェブに対して移動することでステントの変形を可能とするステントの長尺の構造要素であると理解される。接触要素12は埋め込まれた状態のステントから隣接する血管壁へ径方向の力を二次元的に伝達する役割を有する。この役割を果たすため、接触要素12は連続した面を有し、あるいは平坦な要素として設計される。特に、接触要素12は箔、特に金属箔又はポリマー箔からなる。径方向の力を二次元的に伝達するための他の手段も可能である。] 図1b 図2b
[0041] 図1b及び図2bに示されるように、接触要素12は関連付けられたウェブ10よりも幅広である。ここで、力の伝達に有効な個々のウェブ10及びステント全体の接触領域が拡大されるように接触要素12の横方向端縁はウェブの輪郭から突出する。図1b及び図2bによる実施形態において、接触要素12は、ウェブ10に対し対称的に、又はウェブ10の中心に配置される。この場合、接触要素12の両横方向端縁は、ウェブ10から同量だけ横方向に突出する(T字)。接触要素12はウェブ10に関して他の構成とすることもできる。例えば、接触要素12とウェブ10によるL字断面や、接触要素12がウェブの一方の側に他方の側よりも多く突出する中間形状が挙げられる。] 図1b 図2b
[0042] 接触要素は関連付けられたウェブ10に対し10%〜500%幅広であってもよい。範囲が大きいのは、異なる用途について、接触要素12の様々なオーバーサイズ(oversize)が接触領域の拡大及びステントの埋込み容易性の面で良好な結果をもたらすためである。当業者はステントに関する要件に応じて、個々に適切なサブ範囲を決定する。接触要素の幅として特に好適な範囲は50μm〜300μmである。]
[0043] 接触要素12は、ステントの良好な埋込み容易性に関して可撓性を有すべく設計される。接触要素12の可撓性は、接触領域が展開状態時と比べて襞折り状態時に小さくなるように、接触要素12により形成される接触領域を可変とする役目を果たす。接触領域は、接触要素12を適切に条件付けられた形状記憶材料で作製することにより可変とすることができる。]
[0044] ステント設計時においては、可撓性の他、接触要素12すなわち箔の強度が重要となる。可撓性を有することでステントは折り畳み状態へと変形可能である。より幅広の接触要素12すなわち箔は、高いレベルの可撓性及び従って良好な変形性を有する、ウェブ10間の空間を埋めることができる。更に、接触要素12すなわち箔は、血管壁に力を伝達するに足る強度を有する。]
[0045] 更に、接触要素12すなわち箔の可撓性は、ステントの中央よりもステントの周縁においてより高い圧力が生じ得る従来のステント(図1a)と比較して、ウェブの部位における力の分布に関して利点を有する。これは、ウェブの形状が血管の曲線的な輪郭に沿わず、従って例えばウェブ端縁などの非常に小さい接触点に高い局所的な圧力が加わることによるものである。対照的に、肉厚が小さい場合、応力ピークが事実上形成されず、圧力が血管壁に均等に付与されるように、可撓性の著しく高い接触要素12すなわち箔が血管壁に当接する。] 図1a
[0046] 接触要素12の高さ又は肉厚(KE)は、0.5μm〜100μm、一般的には、個々の関連付けられたウェブ10の高さ(GE)の0.5%〜50%である。当業者は、ステントのサイズ及び/又は接触要素12の所望の安定性又は可撓性及び/又はステントの重量に応じて適切な部分的範囲を選択する。神経ステント、すなわち脳の小血管へ埋め込むステントの場合、ウェブ10の高さ(GE)は一般的に50μm〜90μmである。従って、接触要素12の高さ(KE)は、例えば1:10(KE:GE)の比率で5μm〜9μmであってもよい。]
[0047] 箔を接触要素12の作製に使用する場合、以下の特性は全般的なものとみなされるべきである。箔の肉厚は、カテーテル内でシステムの全径が増大しないよう、十分に小さい。箔の剛性(剛性)は血管壁に圧力を付与するのに適したものとされる。箔が可撓性を有するため、カテーテル内でステントを折り畳むことが可能である。箔とウェブ12との間の結合(sic)は、一般的に予想される応力を勘案して設計される。箔は生体適合性を有する。]
[0048] これらの特性を有する例えばNiTi合金製、特にニチノール(Nitinol)の薄い金属箔が、接触要素12に特に適している。このような金属箔は肉厚が極めて小さいが、相当な強度を有する。]
[0049] 図2aは埋め込まれた状態におけるステント全体の断面図を示す。明確にするため、接触要素12は図示されていない。ステントはその外周に沿って均等に分配されるウェブ10を有する。ウェブ10はステントが血管の輪郭に略適合するようにそれぞれと関連付けられた各接触要素12(図示せず)によって血管壁20に当接する。ウェブ10はそれぞれセル11を画定する。セル11は断面図では開放空間として示されている。図2bは、それぞれと関連付けられた接触要素12を有する2つの隣接するウェブ10の断面を示す。埋め込まれた状態では、接触要素12が相互に離間されるように、セル11はウェブ10間において周方向に沿って比較的大きく延伸する。] 図2a 図2b
[0050] ステントが圧縮状態にあるとき、接触要素12が相互に接触するように(図3b)、セル11は周方向に沿って比較的小さく延伸する。ステントが圧縮される際、ステントの断面直径が最小となるように(図3a)ウェブ10と接触要素12とは相互に接近する。このようにすると、ステントが埋め込まれる血管よりも断面直径が小さいカテーテル30内にステントを挿入することが可能である。明確にするため、図3aにも接触要素12は図示されていない。] 図3a 図3b
[0051] 図4a〜図4eは、ステントの圧縮状態における可撓性を有する接触要素12すなわち箔の変形により特徴付けられるステントの各種実施形態を図示している。] 図4a 図4b 図4c 図4d 図4e
[0052] 図4aによると、圧縮状態において、接触要素12はウェブ輪郭から突出する部位が少なくとも部分的に重なり合うように配置されあるいは構成されている。この場合、1つの接触要素12は襞折りにより隣接する接触要素12上に摺動する。接触要素12すなわち箔は径方向において少ししか移動しないため、このために要する接触要素12の可撓性は比較的低い。この場合、圧縮状態におけるウェブ10間の距離は、接触要素12がウェブ輪郭から突出する、オーバーサイズに概ね相当する。隣接する接触要素12すなわち箔の少なくとも一方が更に変形する場合、ウェブ距離は更に短縮され得る。] 図4a
[0053] 接触要素12は圧縮時に変形して径方向内側へ湾曲するような方法で配置され又は構成されてもよい(図4b)。この場合、少なくとも1つ接触要素12の突出する部位は、関連付けられたセル11内へ突出する。この場合、接触要素12は各関連付けられた各ウェブ10を越えて突出し、又は湾曲した接触要素12の端部が突出し断面内へと入り込むのを阻止すべく、関連付けられた各ウェブ10からウェブ10の高さに概ね相当する量以下の量だけ湾曲する。] 図4b
[0054] 図4cによれば、圧縮状態においてウェブ10間の部位が略蛇腹形状の断面を有する接触要素12の配置によって満たされるように、隣接するウェブ10間において接触要素12は接線方向に変形し、特に折り畳まれる。この場合、接触要素12の端部すなわち長手方向端縁がウェブ10の側面に当たる。] 図4c
[0055] 圧縮状態において、上述した接触要素12の構成を組み合わせることができる。例えば、ある接触要素12が2つのウェブ10間で径方向内側へ湾曲され、当該接触要素12と隣接し又は対向する接触要素12は、内側に湾曲した当該接触要素12と重なってもよい(図4d)。図4eによれば、ある接触要素12は隣接するウェブ10間で接線方向に変形し、このように変形した接触要素12の外側において別の接触要素12が径方向に重なり合っている。] 図4d 図4e
[0056] 図5a〜図5dはそれぞれステントを構成する、あるいはステント内で相互に組み合わされる各種セル11の上面図を示す。この場合、図5a〜図5dのセルは同一サイズであり、ウェブ10によって画定されている。接触要素12はウェブ10に配置され、図において、ウェブ10と、ウェブ10の外周面上に配置されると共にウェブ10から横方向に突出する接触要素12すなわち箔との両方が見えるように、視点の方向が下からすなわちステントの内側から略外方向となるように選択されている。セル11はダイヤモンド形状に形成され、その長い方の対角線はステントの長手方向に延出し、短い方の対角線はステントの周方向に延出する。]
[0057] 図5aによる実施形態において、接触要素10は更にダイヤモンド形状を有する開口部13を画定する。開口部13はセル11の輪郭に適合され又はセル11の輪郭と一致する。個々の接触要素12は、各ウェブ10の中心に配置されるか、長手方向に沿ってウェブ10に対して軸対称に配置される直角の細片、特に箔の細片で概ね構成される。この場合、接触要素12はウェブ10の両側から突出し、接触要素の長手方向端縁が相互に平行であり、且つウェブ10と平行となるように、当該ウェブからそれぞれ同量だけ突出する。] 図5a
[0058] 例えば、図5aによる接触要素12は、各々がウェブの輪郭からウェブの両側にウェブ10の幅だけ突出するように、ウェブ10に対して約300%幅広である。] 図5a
[0059] 図5bによる接触要素12もウェブ10より幅広である。図5aによる実施形態と異なり、細片状の接触要素12はウェブ10上に傾斜して、すなわち斜めに配置される。この場合、接触要素12の第一の長手方向端縁15はウェブ10の第一の長手方向端部で終端する(と同一位置にある)。接触要素12の第二の対向する長手方向端縁15は、ウェブ10の他の第二の長手方向端縁14で終端する(それぞれのウェブ10と長手方向端縁15の間の距離=0)。ウェブ10の長手方向においてウェブ10と接触要素12の第一の長手方向端縁15との間の距離は増大し、一方、同じ方向におけるウェブ10と第二の長手方向端縁15との間の距離は短縮される。これにより、接触要素12によって画定される開口部13のステントの長手方向に沿った対角線19は関連付けられた各セル11の対応する対角線と比べて短くなり、周方向に沿った対角線18はセル11の対応する対角線と同一となる。] 図5a 図5b
[0060] 従って、ウェブ10から突出する接触要素12の両側は三角形状をなし、ウェブ10によって分離された三角形の両側はそれぞれオフセットされ、特にウェブ10の中心に対し対称に配置されてもよい(図5b、図5c)。この場合、接触要素12のある長手方向端縁15とウェブ10との間の距離はウェブ10の長手方向端部14において0となり、別の長手方向端縁15とウェブ10との間の距離は同じ長手方向端部14において最大となる。ここで、接触要素12全体が略矩形形状を有していてもよい。これにより接触要素12はその矩形形状のいずれかの対角線に沿ってウェブ10と結合される。] 図5b 図5c
[0061] 更に、ウェブ10の長手方向端部14における両長手方向端縁15の相互の距離がウェブ10の幅に相当し、且つ対向する長手方向端部14においてウェブ幅よりも大きくなるように、三角形状に形成された両側をウェブ10の長手軸に対して軸対称に配置することも可能である。接触要素12、特にウェブの幅から突出する接触要素12の両側は、三角形状以外の形状を有していてもよい。例えば、ウェブ10から突出する接触要素12の両側は略矩形に設計されてもよい(図5a、5d)。] 図5a
[0062] 図5cは、既に図5bに示されたように、接触要素12がウェブ10上に傾斜してすなわち斜めに配置された実施形態を示す。しかし、図5cの実施形態は、長手方向対角線19すなわちステントの長手方向に沿ったダイヤモンド形状の対角線がセル11の長手方向対角線と同一の長さであり、周方向対角線18すなわちステントの周方向に沿ったダイヤモンド形状の対角線がセル11の周方向対角線よりも短くなるようにダイヤモンド形状の開口部13が形成されている。図5a及び図5bによる接触要素と異なり、セル11の周方向対角線18の部位において接触要素同士は結合されず、ステントが圧縮状態へと変化した際に接触要素12がこの部位において相互に離間する方向へ移動可能であるように界面14が設けられる。ステントが圧縮されるとセル11の長手方向対角線は長くなり、セル11の周方向対角線は短くなる。その結果、隣接する接触要素12は、セル11の周方向対角線の部位において引き離される。従って界面14はその接触要素12がわずかに伸張されるか、あるいは全く伸張されないことを同時に保証する。] 図5a 図5b 図5c
[0063] 図5dは、格子要素すなわちウェブ10上の接触要素12の配置を示す。接触要素12により画定される開口部13はダイヤモンド形状のセル11の輪郭に対しダイヤモンド形状に適合されている。この時点では、この実施形態は図5aによる図示と一致している。図5aによる実施形態との相違点は、図5dによる接触要素12には、関連付けられた各ウェブ10から接触要素12の長手方向端縁15に沿って略垂直に延出する複数の界面14が設けられる点にある。この場合、セル11の界面14は略同一の方向に延出する。その結果、ステントが圧縮されると、接触要素12が圧縮状態において重なって配置されるように、接触要素12が相互の上を摺動可能である。] 図5a 図5d
[0064] 一般的に、本発明によるステントのウェブ幅は約25μm〜35μm、特に30μmである。ウェブ10の高さは50μm〜90μm、特に70μmであってもよい。この場合、ウェブ10間の最大間隔は好ましくは最大500μm、特にウェブ幅の10倍である。格子要素10の幅に対する接触要素12の幅の比率は、最大500%が好適である。すなわち、接触要素12は格子要素すなわちウェブ10の幅の2倍の量だけ格子要素10の両側においてウェブ10から突出する。この実施形態は小血管、特に脳血管への埋込み用ステントに関する。ただし、本発明はこれに限定されない。他の血管、すなわちより大きい血管において本発明によるステントを使用するには、当業者は一般的に他のサイズ及び/又はサイズ比率を選択する。]
[0065] 上記ステントを使用すると、従来技術において開示されていた程度と比べて、埋め込まれた状態におけるステントの外周全体を拡大し得ることが保証できる。これにより、埋め込まれた状態において血管壁に作用する局所的径方向の力Fを最小化する。このことは、特に、埋め込まれた状態において有効な接触領域が拡大され、その結果、径方向の力Fが均等に分配されるという点において実現される。]
[0066] 従って、本発明によるステントにより、ウェブ数の増大とウェブ幅の拡大の両方が実現される。これにより、ステントの外周全体が拡大され、その結果血管壁20に作用する局所的圧力が低下する。全般的に、本発明によるステントの外周は、外周が比較的大きくあるいは接触面積が比較的大きいにも関わらず、埋め込まれた状態において圧縮され又は襞折りされて小さい外周とすることができる。このため、市販の搬送システム、特にカテーテルを使用してステントを埋め込むことが可能である。このことは、圧縮状態時と同一の断面直径を有する既知のステントと比較して、埋め込まれた状態においてステントの有効な接触領域が拡大されることを意味する。]
[0067] 特にニチノールなどのニッケルチタン合金で作製された接触要素12を格子要素10に接着もしくは取り付けするための可能な技術として、スパッタリングが挙げられる。この場合、ステント表面にイオンが照射される。特殊なウェブ断面(T字断面又はL字断面)を一体的に作製すること、すなわち接触要素12とウェブ10とを一体的に作製することは可能である。ウェブ10と接触要素12とを一体的に(1ピースとして)スパッタリングすることにより、好適に作製が行われる。更に、予め作製された格子構造のウェブ10上に接触要素12を直接スパッタリングすることができる。一般的に、接触要素12はスパッタリング工程中にその形状に成形されてもよいし、あるいは例えばエッチング工程による更なるステップにおいて成形されてもよい。後者の場合、接触要素12すなわち箔がステントの外周全体にわたってまず取り付けられ、次いでエッチングにより開口部13が形成される。適切なエッチング工程は、例えばDE 10 2006 029 831 A1(出願人に帰属)に開示されている。]
[0068] 本発明による方法が少なくとも1層の犠牲層の使用を含む場合、非常に正確なウェブ形状、特にエッジ精度の高いウェブ形状を高速且つシリーズ互換性のある方法で製造できることから特に有利である。例えば、DE 10 2006 007 231 A1(出願人に帰属)は、本発明によるステントの一体的な製造に適した方法を記載している。]
[0069] F径方向の力
10ウェブ
11セル
12接触要素
13 開口部
14 界面
15長手方向端縁
18周方向対角線
19長手方向対角線
20 血管壁]
权利要求:

請求項1
管状格子構造、格子要素、特にウェブ(10)、及び前記格子要素により画定されるセル(11)を有し、前記格子構造は、断面直径が比較的小さい圧縮状態及び断面直径が比較的大きい展開状態へと変化することが可能なステントであって、可撓性を有する接触要素(12)が前記格子要素と関連付けられ、前記接触要素は血管壁(20)に径方向の力を伝達すべく構成されると共に、それぞれと関連付けられた各格子要素の略長手方向において前記格子構造の外周上に延出し、個々の前記接触要素(12)は前記関連付けられた格子要素よりも少なくとも部分的に幅広であることを特徴とするステント。
請求項2
個々の前記格子要素は、関連付けられた接触要素(12)と共に少なくとも部分的に略T字断面もしくは略L字断面を形成することを特徴とする請求項1に記載のステント。
請求項3
個々の前記接触要素(12)は、それぞれと関連付けられた各格子要素よりも少なくとも10%、特に少なくとも15%、特に少なくとも20%、特に少なくとも30%、特に少なくとも40%、特に少なくとも50%、特に少なくとも60%、特に少なくとも70%、特に少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に少なくとも100%幅広であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステント。
請求項4
個々の前記接触要素(12)は、それぞれと関連付けられた各格子要素よりも最大500%、特に最大400%、特に最大300%、特に最大200%、特に最大100%幅広であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステント
請求項5
1つ又は複数の接触要素(12)の前記幅は前記ステントの外周及び/又は長さに関して可変であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のステント。
請求項6
前記格子構造の前記セル(11)は、各セル(11)を形成する格子要素の接触要素(12)により画定される開口部(13)を各々有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のステント。
請求項7
個々の前記開口部(13)は前記セル(11)の輪郭に適合されていることを特徴とする請求項6に記載のステント。
請求項8
前記開口部(13)が略菱形状であることを特徴とする請求項6又は7に記載のステント。
請求項9
前記接触要素(12)は、それぞれと関連付けられた各格子要素の長手軸と平行に延出する少なくとも1つの長手方向端縁(15)を各々有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のステント。
請求項10
前記接触要素(12)は、それぞれと関連付けられた各格子要素の長手軸に対し角度をもって配置される少なくとも1つの長手方向端縁(15)を各々有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のステント。
請求項11
前記接触要素(12)は、相互に平行に配置され、及び/又は、それぞれと関連付けられた各格子要素の長手軸に対し角度をもって配置される2つの長手方向端縁(15)を各々有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のステント。
請求項12
前記接触要素(12)はそれぞれと関連付けられた各格子要素に対して略斜めに配置される略矩形の細片を形成することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のステント。
請求項13
前記接触要素(12)は、前記セル(11)の角部の部位において重なり合い、及び/又は相互に隣接して結合され、又は相互に結合されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のステント。
請求項14
前記接触要素(12)の高さは0.5μm〜100μm、特に1μm〜50μm、特に2μm〜30μm、特に3μm〜20μm、特に5μm〜10μmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のステント。
請求項15
前記接触要素(12)の前記高さはそれぞれと関連付けられた各格子要素の高さの少なくとも0.5%、特に少なくとも1%、特に少なくとも2%、特に少なくとも5%、特に少なくとも10%に相当することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のステント。
請求項16
前記接触要素(12)の前記高さはそれぞれと関連付けられた各格子要素の前記高さの最大50%、特に最大40%、特に最大30%、特に最大20%、特に最大15%、特に最大10%に相当することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のステント。
請求項17
1つ及び/又は複数の接触要素(12)の前記高さはステントの前記外周及び/又は前記長さに関して可変であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のステント。
請求項18
1つ及び/又は複数の接触要素(12)の前記高さは前記接触要素(12)の前記幅及び/又は長さに関して可変であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のステント。
請求項19
1つ及び/又は複数の接触要素(12)は、外側の部位と比べて、それぞれと関連付けられた各格子要素の部位において、より高く形成されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のステント。
請求項20
前記接触要素(12)は、形状記憶材料、特にニッケルチタン合金を含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のステント。
請求項21
前記接触要素(12)が構造化表面、特に孔又は溝を有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のステント。
請求項22
少なくとも1つの接触要素(12)が個々に格子要素と関連付けられるように、可撓性を有する接触要素(12)が格子要素に結合され、あるいは前記格子要素と一体的に作製され、前記接触要素は前記格子要素の断面から突出することを特徴とする、請求項1に記載のステントを製造するための方法。
請求項23
前記接触要素(12)がレーザーマイクロ溶接により前記格子要素に結合されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
請求項24
前記接触要素(12)が前記格子要素に接着されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
請求項25
前記接触要素(12)がスパッタリング、特にマグネトロンスパッタリング又はイオンビームスパッタリングにより作製されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
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